彼女は一人で歩くのか。
こんばんは。
更新をまたサボっていました。3週間ぶりに書こうと思います。
6月は大きな変化がありましたね。
UKのEU離脱に関する国民投票で、僅差ながら離脱派が勝利しました。
誰もが予想しなかった結果で、恐らく国民自身もこの結果を予想しなかったでしょう。
今回のことについては、BBCのレポートが一番良くまとまっていると思いますのでこちらを参照してください。
上段のグラフを見れば視覚的にもよくわかると思いますが、北アイルランド、ロンドン、スコットランドを以外の州が離脱の票が勝りました。
UKの中では比較的田舎で、且つ平均年齢が高い州です。
日本でもシルバーデモクラシーという言葉をよく聞くと思いますが、今回の騒動でも聞こえてきました。
経済的には非合理な選択ですが、高齢化した国だとこういうことが起きる良い例かも知れません。また、直接民主主義の短所でもあると思います。
間違った答えだとしても、多数決で決められてしまうのです。論理より感情が勝った結果とも言えます。
この結果は当然ながらマーケットでは歓迎されず、株が売られ、円と仮想通貨にマネーが流れましたね。
円高になったので、貯金がある人は夏に海外旅行に行くのもいいかも知れません。
ただ、今度は独立騒動とアメリカの大統領選挙があるのでまだ円高になる要因は残っています。
ロンドン独立は現実性がありませんが、トランプの当選はあり得るかも知れません。
それこそ非合理な結果ですが。
あとはLinkedInの買収が結構センセーショナルなニュースでしたね。
26.2billionドルなので、日本円で約3兆円強。恐ろしい金額です。
日本だとあんまり流行っていない印象ですが、アメリカだとビジネスマンは当たり前にアカウントを持っています。
個人でのキャリアプランより、所属する組織を重視する日本だとあまり機能しないのかも知れません。
ビジネス版SNSだと今はWantedlyが国内だと勢いがあるイメ―ジです。ただ、かなりエンジニアよりのサービスですが…。
Microsoftの買収だと、最近は愛するSunriseを殺されたばかりなので複雑な気持ちです。
ただSkypeの買収はそれなりに上手くいったようですし、今後のサービス展開に期待です。
さて、どうでもいいことを書きました。
最近の自分のことを書きたかったのですが、時間がありません。
明日から少し遠いところで長期の仕事です。
僕も一人で歩いてみようと思います。どうせ夜とか暇なのでまた書きます。
何があれば満足か。
お久しぶりです、また無精を発揮しました。
付き合いは災いのもと。
こんばんは、憎たらしいくらいに夏ですね。
緩く続く不安。
こんばんは、会社帰りにブログを書けば家まであっという間だということに気付きました。
チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)
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【映画化】完全なる首長竜の日 (『このミステリーがすごい! 』大賞シリーズ)
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植物状態になった患者とコミュニケートできる医療器具「SCインターフェース」が開発された。少女漫画家の淳美は、自殺未遂により意識不明の弟の浩市と対話を続ける。「なぜ自殺を図ったのか」という淳美の問いに、浩市は答えることなく月日は過ぎていた。弟の記憶を探るうち、淳美の周囲で不可思議な出来事が起こり――。
自殺未遂を起こして植物状態となった弟と最先端の医療器具を通じてコミュニケーションを取っている姉が主人公です。
少女漫画家として打ち切りが決まった作品の連載を続けながら、弟の治療を続けます。
弟の自殺の原因を探るため「センシング」という方法で、意識下での弟とのコミュニケーションを図りますが、意識の中でさえ弟は目の前で自殺を繰り返します。毎回その繰り返し。
段々、その中で「センシング」と「現実」の区別がつかなくなっていきます。
現実に意識不明のはずの弟が出てきたり、センシングから連続で目覚めたり。
小説の中で何度も出てくるワードが、『胡蝶の夢』です。
荘子の説話で、蝶になった夢を見ている人がいる、その人が目覚めたとき、もしかしたら今の自分は蝶が人になった夢を見ているのかも知れない、と考えるという内容です。
つまり、どちらが夢なのかわからなくなる、どちらが現実なのかわからなくなるということです。
主人公は、自分がどうかしてしまったのではないかと自分を疑い始めます。
ネタバレになるので、詳細はやはり書けませんが、センシング内では「弟の自殺」、現実では「漫画家としての苦悩」が淳美をジワジワと追い詰めます。前述しませんでしたが、元担当者との男女の関係というのも重い過去として彼女の中にあり続けます。
そのストレスで段々と彼女が壊れていくのが書かれていると感じますが、最後にはしっかりと解決の答えを用意してくれています。
そう思ったラスト数ページ、またわからなくなってこの小説は終わります。
久しぶりに読みましたが、結局なんやねん……となるこの感じ。
救いがあり、答えもあるのですが、その救いと答えすら本当にあるのかはわからない。
どうしようもない、新宿あたりで居酒屋のキャッチと酔っ払った大学生が繰り広げる会話くらい破滅的でどうしようもない展開です。
※賞を取るくらいですから、非常によく出来た小説ですよ
鬱々としたい気分の時に是非読んでいただきたい。
もしお近くに笑顔を奪いたいあの子がいるのなら、是非プレゼントしてあげてください。
ハートフルな夢より、ハードでストレスフルな現実をくれてやりましょう。
普通に面白い小説ですので、読んでみてください。
それでは今月も経済活動していきましょう。
季節の変わり目と気が狂った女たち。
こんばんは。
季節の変わり目には、ほぼ間違いなく風邪をひきます。
今回も例外ではありません、梅雨が迫っているのを感じます。
くしゃみ、鼻水が止まりません。
最近はグズグズになりながら、仕事をしています。
パートナーにもよく言われますが、引くほど汚いです。
このままでは将来生まれる娘にも嫌われる可能性が高く、親になる前に完治を目指していかないといけません。
※別段結婚も出産の予定もありません
よく読んでいた作家さんで、『浦賀和宏』という方がいます。
ミステリー作家で、グロテスクな表現や性的な表現も多く苦手な人は苦手かも知れませんが、人間の容赦のない悪意を非常に繊細に描写出来る方だなと。
一番最初に読んだのは、確か「彼女は存在しない」という作品だったと思います。
- 作者: 浦賀和宏
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主な登場人物は、兄と妹の2人です。
詳しく書くとすぐネタバレに直結しますので、レビューはしません。
とにかく、妹が怖い。僕が薦めたばかりに、夜とかに読んだら僕を怒る人もいる気がします。
でも読み終わったあとに、タイトルの意味に「なるほど」となるはずです。
正直後味は悪いんですが、不気味なミステリー好きの方にはお勧めです。
この「彼女は〜」シリーズが僕は個人的にとても好きです。
シリーズと言っても、主人公は異なります。
ただ、そのうち何作品かは主人公が一緒のものもあり、それが「桑原銀次郎」シリーズです。
妻や、母、女性の怖さや狂気が後半へ読み進むにつれてゾッとする展開となっていきます。
- 作者: 浦賀和宏
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これがシリーズ第一作。
もう怖い、女って怖い。
信じられるのはお母さんだけ、となること間違いなし。
浦賀さんは人の記憶を扱った作品と電子音楽が好きな方ですが、この作品も記憶が大きなテーマとなっています。
- 作者: 浦賀和宏
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
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なんて言っていると、第二作でいきなりお母さんが殺されます。
殺されるというか、冒頭で既に死んでいます。
信じれるものを失ったところからスタートで、兄嫁に迫られたり、母を殺した男の姉(40歳、ニート)に言い寄られたり、全体的に女が怖い。
母が大きなテーマとなっている、気が狂った母性と寂しい女たちの本格サスペンスです。
シリーズの中だと一番評判がいい気がします。
- 作者: 浦賀和宏
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
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前作で対決した、フリーライターが殺害されるところからスタートです。
そのフリーライターが追っていた特ダネの真相を知るために奔走しますが、今回も主人公に良いことは1つもありません。
どれだけ徳の低い人生を過ごすとこうなるのか、考えさせられる話です。
やはり、証券営業マンは幸せになれないのかも知れません。
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第四作が現在桑原銀次郎シリーズの最新刊で、恐らく最終巻だと僕は思っています。
遂に最後、一生戦っていく宣言をしているのが涙を誘うのですが、本当に一生幸せになれないだろうなというラストです。
あとやっぱり女って怖い。
このシリーズでのまともな女は、唯一兄嫁だけな気がします。
その兄嫁に欲情しないように一生懸命我慢している銀次郎もどうかしていますが、ミステリーとしてはお勧めです。
他にも講談社でシリーズもの書いているんですが、主人公が中二過ぎて僕はあまり好きではありません。
デビュー作だった思いますが、まずはこちらから読んでみてください。
「安藤直樹」シリーズです。
- 作者: 浦賀和宏
- 出版社/メーカー: 講談社
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暗いし、やたらと電子音楽に言及してくるし、浦賀さんの趣味が全面的に出ているなと感じます。
話は止めどなく暗いです。
自殺するし、不倫するし、妊娠するし、近親相姦するし、RYDEENするし。
この話のあと、安藤直樹が感情を失い重度の中二病になるのもしょうがない気がします。
安藤直樹のほとばしる中二病は、こちらをご確認ください。
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- 出版社/メーカー: 講談社
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このシリーズが一番長く続いていて、ただ文庫になっているものは少ないですね。
僕も読んだことのないものが多いので、クビになったら沢山読もうと思います。
ちょっと気が狂ったキャラが多いですが、是非読んでみてください。
そして、身近にいる気が狂っていない女性が如何に大切な存在か噛みしめてください。
グロ系とか性的な描写が駄目な人は止めた方がいいですが、タブー的なネタが好きな人にはお勧めです。
それではよい週末を。