クラタタカシのブログ

この文章に意味はありません

付き合いは災いのもと。

こんばんは、憎たらしいくらいに夏ですね。

夏好きを公言する人は、マゾなんだと思います。
もちろん冬好きもマゾです。
 
この世で最も厄介なことはなんだと思いますか。
僕は人付き合いだと思います。
日常生活の厄介事は基本的には、自分以外の他人からもたらされます。
天災地変は最早諦めるとして、日常生活において人を悩ませる原因の9割は人間関係だと言っても過言ではないでしょう。
残りの1割はお金です。間違いありません。
 
友人、家族、恋人、上司と部下、クラスメイト、バンド仲間、嫁姑、バッテリー、日常はいつなん時でも地雷原に変貌する可能性を秘めています。
急に冷たくなる女友達、ヒステリックで自分に理解のない母親、自分のことを大切にしない恋人、理不尽な上司、不出来な部下、思春期独特の気持ち悪さを伴ったクラスのグループ、じゃんけんに負けてベース担当になり心を失った前髪が長くて細長い人、嫁姑のドラマティックな戦いに憧れていたのに無駄に優しい姑に肩透かしな嫁、キャッチャーのミットという名の厚い胸に本当はストレートな愛を受け止めて欲しいピッチャーの乙女心。
これらは全て人間関係が悪い。
人間関係こそ、この世全ての悪なのです。
 
ではどうすればいいのか。
 
 

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こ れ し か な い 。
というわけで今日は辻村深月さんの本の紹介です。
 
オーダーメイド殺人クラブ (集英社文庫)
 

 

1年くらい前に文庫化されたので、読んだ方も多いのではないのでしょうか。
 
主人公のアンはどうしようもない思春期の衝動と閉塞感から、自殺する(クラスメートに自分を殺してもらう)ことを決意します。
美意識が強く、プライドも高い彼女は、ただ死ぬのではなくクラスメートに自分の要望通りに美しく殺してもらうことを思いつきました。
殺人者に選ばれた徳川という少年は、クラスでも女子から気持ち悪いと陰口を叩かれるような日陰者。
アンは彼の残虐性を見抜き、自分だけの少年Aにしようと考えます。
言うまでもなく、少年Aは酒鬼薔薇聖斗のことですね。
 
アンも徳川も中学生。
思春期独特の気持ち悪さと、勘違い。集団の無意識の暴力、女の怖さ。
これが痛々しいほどリアルに書かれていて、歳をとった今だとなんでそんなことすんねん……となるんですが、あの頃の感情の爆発というか醜さというか、そういうのをうっすらと思い出して納得するんです。
この読むときによっては、濃すぎて気持ちが悪くなりそうなほどのリアリティが辻村さんの持ち味だと思っています。
そんなに克明に書かなくてもいいのに……と最早少し引くときすらありますが。
 
現実離れしたタイトルですが、特別なことは何もなく、自分の価値観が特別だと信じた少女が行き過ぎた非行に走る話という域を出ないと思います。すごく重たい日常系です。
9割くらい重いんですが、最後はとても綺麗で、救われる話です。
青春の暗い部分にばかり目が行きがちですが、それと同じくらい青春は目も当てられないくらい眩しいものだと思い出させてくれます。
辻村さんの暗い部分が好きな方はこの眩しさに、魂が焼けただれること間違いなしです。
是非悔い改めてください。
 
人間関係って悪い時にばかり目が行きがちですが、実際はなんでもない時にこそ人間関係が自分を生かしてくれているんだと仕事をしていると感じます。
僕の場合はビジネスの話ですが、人間関係に悩んでいる人は逆に何度も人に救われたと感じてきたはずです。
暗い本を読んで、最後に救われて、心機一転頑張りましょう。
 
明日は涼しくなりますように。