クラタタカシのブログ

この文章に意味はありません

季節の変わり目と気が狂った女たち。

こんばんは。
季節の変わり目には、ほぼ間違いなく風邪をひきます。
今回も例外ではありません、梅雨が迫っているのを感じます。
くしゃみ、鼻水が止まりません。
最近はグズグズになりながら、仕事をしています。
パートナーにもよく言われますが、引くほど汚いです。
このままでは将来生まれる娘にも嫌われる可能性が高く、親になる前に完治を目指していかないといけません。
※別段結婚も出産の予定もありません

よく読んでいた作家さんで、『浦賀和宏』という方がいます。
ミステリー作家で、グロテスクな表現や性的な表現も多く苦手な人は苦手かも知れませんが、人間の容赦のない悪意を非常に繊細に描写出来る方だなと。
一番最初に読んだのは、確か「彼女は存在しない」という作品だったと思います。

彼女は存在しない (幻冬舎文庫)

彼女は存在しない (幻冬舎文庫)

主な登場人物は、兄と妹の2人です。
詳しく書くとすぐネタバレに直結しますので、レビューはしません。
とにかく、妹が怖い。僕が薦めたばかりに、夜とかに読んだら僕を怒る人もいる気がします。
でも読み終わったあとに、タイトルの意味に「なるほど」となるはずです。
正直後味は悪いんですが、不気味なミステリー好きの方にはお勧めです。


この「彼女は〜」シリーズが僕は個人的にとても好きです。
シリーズと言っても、主人公は異なります。
ただ、そのうち何作品かは主人公が一緒のものもあり、それが「桑原銀次郎」シリーズです。
妻や、母、女性の怖さや狂気が後半へ読み進むにつれてゾッとする展開となっていきます。

これがシリーズ第一作。
もう怖い、女って怖い。
信じられるのはお母さんだけ、となること間違いなし。
浦賀さんは人の記憶を扱った作品と電子音楽が好きな方ですが、この作品も記憶が大きなテーマとなっています。

なんて言っていると、第二作でいきなりお母さんが殺されます。
殺されるというか、冒頭で既に死んでいます。
信じれるものを失ったところからスタートで、兄嫁に迫られたり、母を殺した男の姉(40歳、ニート)に言い寄られたり、全体的に女が怖い。
母が大きなテーマとなっている、気が狂った母性と寂しい女たちの本格サスペンスです。
シリーズの中だと一番評判がいい気がします。

前作で対決した、フリーライターが殺害されるところからスタートです。
そのフリーライターが追っていた特ダネの真相を知るために奔走しますが、今回も主人公に良いことは1つもありません。
どれだけ徳の低い人生を過ごすとこうなるのか、考えさせられる話です。
やはり、証券営業マンは幸せになれないのかも知れません。

第四作が現在桑原銀次郎シリーズの最新刊で、恐らく最終巻だと僕は思っています。
遂に最後、一生戦っていく宣言をしているのが涙を誘うのですが、本当に一生幸せになれないだろうなというラストです。
あとやっぱり女って怖い。
このシリーズでのまともな女は、唯一兄嫁だけな気がします。
その兄嫁に欲情しないように一生懸命我慢している銀次郎もどうかしていますが、ミステリーとしてはお勧めです。


他にも講談社でシリーズもの書いているんですが、主人公が中二過ぎて僕はあまり好きではありません。
デビュー作だった思いますが、まずはこちらから読んでみてください。
「安藤直樹」シリーズです。

記憶の果て (講談社文庫)

記憶の果て (講談社文庫)

暗いし、やたらと電子音楽に言及してくるし、浦賀さんの趣味が全面的に出ているなと感じます。
話は止めどなく暗いです。
自殺するし、不倫するし、妊娠するし、近親相姦するし、RYDEENするし。
この話のあと、安藤直樹が感情を失い重度の中二病になるのもしょうがない気がします。
安藤直樹のほとばしる中二病は、こちらをご確認ください。


このシリーズが一番長く続いていて、ただ文庫になっているものは少ないですね。
僕も読んだことのないものが多いので、クビになったら沢山読もうと思います。

ちょっと気が狂ったキャラが多いですが、是非読んでみてください。
そして、身近にいる気が狂っていない女性が如何に大切な存在か噛みしめてください。
グロ系とか性的な描写が駄目な人は止めた方がいいですが、タブー的なネタが好きな人にはお勧めです。

それではよい週末を。